Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しかばねをくうおとこ

死屍を食う男

葉山 嘉樹

Lisez 死屍を食う男 (しかばねをくうおとこ) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 482 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

もちろん、部屋の窓の外は松林であった。松の梢を越して国分寺の五重の塔が、日の光、月の光に見渡された。

人数に比べて部屋の数が多過ぎるので、寄宿舎は階上を自習室にあて、階下を寝室にあててあった。どちらも二十畳ほど敷ける木造西洋風に造ってあって、二人では、少々淋しすぎた。が、深谷も安岡も、それを口に出して訴えるのには血気盛んに過ぎた。

それどころではない、深谷はできることならば、その部屋に一人でいたかった。もし許すならばその中学の寄宿舎全体に、たった一人でいたかった。

何かしら、人間ぎらいな、人を避け、一人で秘密を味わおうという気振りが深谷にあることは、安岡も感じていた。

安岡は淋しかった。なんだか心細かった。がもう一学期半辛抱すれば、華やかな東京に出られるのだからと強いて独り慰め、鼓舞していた。

十月の末であった。

もう、水の中に入らねばしのげないという日盛りの暑さでもないのに、夕方までグラウンドで練習していた野球部の連中が、泥と汗とを洗い流し、且つは元気をも誇るために、例の湖へ出かけて泳いだ。

ところがその中の一人が、うまく水中に潜って見せたが、うまく水上に浮かび上がらなかった。