Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しかばねをくうおとこ

死屍を食う男

葉山 嘉樹

Lisez 死屍を食う男 (しかばねをくうおとこ) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 482 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

電燈がパッと消えた。

深谷が静かにドアを開けて出て行った。

――奴は恋人でもできたのだろうか?――

安岡は考えた。けれども深谷は決して女のことなど考えたり、まして恋などするほど成熟しているようには見えなかった。むしろ彼は発育の不十分な、病身で内気で、たとい女のほうから言い寄られたにしても、嫌悪の感を抱くくらいな少年であった。器械体操では、金棒に尻上がりもできないし、木馬はその半分のところまでも届かないほどの弱々しさであった。

安岡は、次から次へと深谷のことについて考えたが、どうしても、彼が恋人を持っているとは考えられなかった。それなら……盗癖でもあるのだろうか?

だが、深谷は級友中でも有数の資産家の息子であった。それにしても盗癖は違う。いくら不自由をしない家の子でも、盗癖ばかりは不可抗的なものだ。だが、盗癖ならばまず彼がその難をこうむるべき手近にいた。且つ近来、学校中で盗難事件はさらになかった。

下痢かなんかだろう。

安岡はそう思って、眠りを求めたが眠りは深谷が連れて出でもしたように、その部屋の空気から消えてしまった。

おそらく、二時間、あるいは三時間もたってから深谷は、すき間から忍び入る風のように、ドアを開けて帰ってきた。