Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さつじんのはて
殺人の涯
海野 十三
Lisez 殺人の涯 (さつじんのはて) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 631 caractères · 6 écrans
その上に苦が手の警官までに顔を合わせねばならないじゃないか。何という損なことを私はやってしまったのだろう!」
そのとき入口がパッと左右に開いた。予想のとおり警官の姿が現れた。とうとう入って来たのだ。合鍵で開けたのに違いない。
警官は私の傍に近づくと、無言の儘、液体を覗きこんだ。
私はウンウン呻りながら夢中になって白い液体を掻き廻わした。
警官は何にも言わない。何も言わぬだけ、私の心臓は警官の掌のうちに握られているように無気味だった。液体を掻きまわしている腕が気のせいか、何となく利かなくなるようだ。
液面に触れんばかりに顔を近づけていた警官がウムと呻った。私はドキンとした。なんだかチラリと赤いものが、液の中からみえたように思った。だがよくよく見ると、矢張り白い液体が渦を巻いているだけだ。私は平気を装った。
だがその努力は間もなく空しくなってしまった。例の赤い塊が、チョロチョロと液面に浮き上って来たのだった。私は慌てて力を入れると急速に掻き廻わした。すると意地悪く、強く掻き廻わせば掻き廻わすほど、ポクリポクリと赤い塊が数を増して浮き上ってきた。私は恐怖に真青になって、液体を掻き廻わした。