Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さつじんき

殺神記

田中 貢太郎

Lisez 殺神記 (さつじんき) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 120 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

夜半近くなって元振は入口の戸を開けて外の方を見た。二三本の炬火を点けて供を伴れた牛車が来た。元振は邪神が来たと思ったので室の中へ入って待っていた。入口に数多な跫音がして、扉を開けて紫の衣服を着た怪しい者が入ってきた。

「相公がいらっしゃる」

紫の衣服は外へ出て往った。引き違えて黄色な衣服を着た者が入ってきた。

「相公がいらっしゃる」

黄色な衣服を着た者もそう言って出て往った。元振は相公と言えば大臣宰相だ、俺が将来で宰相にでもなるのかと思って喜んだ。元振の気が引きたってきた。

扉がまた開いて十人ぐらいの者が入ってきた。冠を着けた逞しい者がその中に交っていた。元振はそれが邪神の烏将軍だろうと思った。邪神らしい者は元振を見た。

「相公は、何故、ここにいらっしゃいます」

「今晩は、目出度い婚礼の酒宴があるということを路で聞いたから来た」

邪神は喜んだ。

「これはありがたい、では、席に着いて貰おう」

邪神の一行が酒宴の席へ入ったので元振は後から随いて往った。邪神は自個の前へ元振を招んだ。元振は考えついたことがあった。元振は邪神に向って言った。

「貴郎は、鹿の脯をおあがりになりますか」