Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はは
母
宮本 百合子
Lisez 母 (はは) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 021 caractères · 16 écrans
しかし葭江と呼ばれた総領娘である母の娘盛りの頃は、その父が官吏として相当な地位にいたために、おやつには焼きいもをたべながら、華族女学校へは向島から俥で通わせられるという風な生活であった。嫁いで来た中條も貧乏な米沢の士族で、ここは大姑、舅姑、小姑二人とかかり人との揃った大家内であったし、舅はもうその頃中風で、世間なれない二十二の花嫁としては大姑、姑たちの、こまかくつけまわす視線だけでもなかなか辛い思いをしたらしい。その時分の思い出は私が十七八になってから折にふれてはよく母も話した。結婚したのは父が帝大の工科を出る年で、余り年より達がうるさいと、だから貴女がたのいる間は僕は嫁なんぞ貰わないと云ったんじゃないかと、大きい声で憤ったということをも聞いた。
私が生れた頃の家は小石川の原町にあって、今に骨ばなれがしやがるゾ! と魚やの若い衆に罵倒される程倹約な暮しをしていたそうだ。裏にジャガ薯畑があって、そこからとれるジャガ薯ばっかりおかずにしていたと、笑って話したことがある。
はじめて父が外国留学をしていた時代の若い母の思い出や、それから後私が十七八になるまでの母の生活を回想すると、母が女として耐えて来た様々の困難や時代と境遇との関係から満たされなかった母の希望というようなものが、いろいろと推察される。