Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みずがめ

水甕

豊島 与志雄

Lisez 水甕 (みずがめ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 082 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

仁木は黙って酒を飲みました。彼のそばについてる芸者が、杯があけばすぐに酒をつぎました。それが後ではうるさくなり、少し待てよと言っても、彼女はまるで機械のように、杯があけばすぐにつぎました。それを江川がまたけしかけました。

「仁木君の酒は会社でも有名だ。おい、しっかりお酌をしろよ。」

「大丈夫よ。こちらのお杯、からになったら、あたし、罰金だすわ。」

言葉通り、彼女は決して仁木の杯をからのままにはしておきませんでした。

仁木はぼんやり彼女を眺めました。お酌するより外に能がなさそうな、そしてお酌するためにだけそこにいるような、その女から、彼は一種の圧迫を感じはじめました。しかも彼女自身は、ただの平凡な若い芸者にすぎませんでした。二重瞼の、殆んど近くを見ずただ遠くだけを見るような、その眼差しが凉しいきりで、他に取りえもなく、笑う時には、大きな口のまわりに、年増めいた二筋の皺がより、坐っておれば普通の体躯に見えますが、立ち上ると、ひどく背の低いのが目立ちました。こんな者、気にすることはないと、仁木は思って、床の間の花などを眺めました。青磁の花瓶に、梅もどきへ菊をそえて活けてありました。