Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みずとりてい

水鳥亭

坂口 安吾

Lisez 水鳥亭 (みずとりてい) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 705 caractères · 62 écrans

Aozora Bunko

「ウソですよ。へりくだると見せて威張るのよ。悪質の成金趣味よ。ねえ、克子」

「そうよ。無学文盲の悪趣味よ。裏長屋の貴族趣味ね」

「バカな。お前らのハラワタが汚いから、汚い見方しか出来ないのだ。だいいち、野口君は、伊東の別荘などと言いはせん。いつも、ただ、伊東の、という。つとめて成金らしい口吻をさけているのが分らんか」

「つまんない。裏長屋のザアマス趣味をひッくりかえしただけよ」

女子大生の克子は投げすてるように言う。

「伊東の別荘と言いたいのを、伊東で切らなきゃならないからイヤらしいのよ。使用人に届けさしゃいいものを、今、帰り路ですなんて、恩にもきせたいし、伊東の別荘も言いたいからよ。わざと、へりくだることないじゃないの。いつもタマゴは三ツなのね。不自然ね。ムリして数を合せてさ。一から十までムリしてるのよ」

「生意気な。なにを言うか。このイワシをみろ。七匹じゃないか。ムリして数を合せてはおらん。お前らのゲスのカングリ、汚らしいぞ」

克子は皿の上の焼いたイワシに白い眼をむけて、

「七匹なんて、変ね」

と、薄笑いをうかべる。イワシを突きこわして、ゆっくり食べながら、