Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みずとりてい
水鳥亭
Lisez 水鳥亭 (みずとりてい) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 705 caractères · 62 écrans
そこで、とうとう亮作は考え深い人のように顔をあげて言うのであった。
「先日、あちらから来た人にききましたが、網をやってますな。たしか、大謀網もやってるそうです」
野口はそれが亮作の挑戦であることを見抜くが、微笑を失いはしない。
「あちらッて、どこからの人ですか」
「え、沼津です。遠縁の者が、あそこの工場にいて、時々本社へ上京のたび、私のウチへ寄るのですが」
亮作はおどおどしている。亀の子のように怯えた顔である。今にも甲羅にひッこめそうだが、頑強に言葉をつづけるのである。
「大謀網は、うまくいく時は、ブリが四五万尾はいる。海の魚は無尽蔵ですな」
「沼津の大謀網は初耳ですな。沼津は漁場ではありませんよ」
「いえ、沼津ではないのです。あのへんにちかい漁場での話です」
亮作は泣きそうな断末魔の顔だが、必死に口をうごかす。哀れであるが、シブトく、にくたらしくもある。
野口の顔色が変る。息づかいが、はげしくなる。
「私はこの目で見ていますよ。あなたは耳にきいたことで、私が目で見たことを否定しようとなさるのですか」
亮作は沈黙する。
「太平洋の沿岸は敵の潜水艦でとりかこまれていますよ。