Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こおりぐらのにかい
氷蔵の二階
宮本 百合子
Lisez 氷蔵の二階 (こおりぐらのにかい) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 201 caractères · 37 écrans
――それにね、私ぜひあの人と結婚しなけりゃ困るのよ」
房は、不安を感じて、思わず志野を見た。
「ほらあの――こないだうるさく来た男ね、もと下で働いていたっていう。――若し大垣さんと一緒になれないと、私あの男と夫婦にならなけりゃならないかも知れないんですもの……」
多公(たあこう)と呼ばれた多十郎に、志野は、今大垣にきかせていた琴と、被いのメリンスの布を買って貰ったのであった。
「私、大垣さんとの方が先約だって云って頑張ってるのよ」
次に大垣の処へよって帰って来ると、志野は浮々房に囁いた。
「一寸! 純吉さんたら、あなた、活のいい果物みたいで好きだって云ってたわよ」
「まあ、いやだ」
志野は冗談とも本気ともとれる調子で警告した。
「あなた、あの人が好きにでもなったら、私絶交しちゃうわよ、よくて」
大垣も度々訪ねて来た。彼等は房のいることを忘れたように噪(はしゃ)ぐことが多かった。気がつくと、大垣は、
「やあ、失敬失敬!」
などと、謝った。
「君も一つ対手をさがし給えよ、どうも、遠慮があって、僕等が困りますよ、ハハハハ」
「本当にそうだわ。ね、あの鈴木さんなんかどうかしら」