Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えいじつしょうひん
永日小品
Lisez 永日小品 (えいじつしょうひん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 000 caractères · 100 écrans
やがて手桶の尻をどっさと泥の底に据えてしまった。危く倒れるところを手桶の柄に乗し懸って向うを見ると、叔父さんは一間ばかり前にいた。蓑を着た肩の後から、三角に張った網の底がぶら下がっている。この時被った笠が少し動いた。笠のなかからひどい路だと云ったように聞えた。蓑の影はやがて雨に吹かれた。
石橋の上に立って下を見ると、黒い水が草の間から推されて来る。不断は黒節の上を三寸とは超えない底に、長い藻が、うつらうつらと揺いて、見ても奇麗な流れであるのに、今日は底から濁った。下から泥を吹き上げる、上から雨が叩く、真中を渦が重なり合って通る。しばらくこの渦を見守っていた叔父さんは、口の内で、
「獲れる」と云った。
二人は橋を渡って、すぐ左へ切れた。渦は青い田の中をうねうねと延びて行く。どこまで押して行くか分らない流れの迹を跟けて一町ほど来た。そうして広い田の中にたった二人淋しく立った。雨ばかり見える。叔父さんは笠の中から空を仰いだ。空は茶壺の葢のように暗く封じられている。そのどこからか、隙間なく雨が落ちる。立っていると、ざあっと云う音がする。これは身に着けた笠と蓑にあたる音である。