Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えいじつしょうひん
永日小品
Lisez 永日小品 (えいじつしょうひん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 000 caractères · 100 écrans
外套は抑えられたかと思うほど湿っている。軽い葛湯を呼吸するばかりに気息が詰まる。足元は無論穴蔵の底を踏むと同然である。
自分はこの重苦しい茶褐色の中に、しばらく茫然と佇立んだ。自分の傍を人が大勢通るような心持がする。けれども肩が触れ合わない限りははたして、人が通っているのかどうだか疑わしい。その時この濛々たる大海の一点が、豆ぐらいの大きさにどんよりと黄色く流れた。自分はそれを目標に、四歩ばかりを動かした。するとある店先の窓硝子の前へ顔が出た。店の中では瓦斯を点けている。中は比較的明かである。人は常のごとくふるまっている。自分はやっと安心した。
バタシーを通り越して、手探りをしないばかりに向うの岡へ足を向けたが、岡の上は仕舞屋ばかりである。同じような横町が幾筋も並行して、青天の下でも紛れやすい。自分は向って左の二つ目を曲ったような気がした。それから二町ほど真直に歩いたような心持がした。それから先はまるで分らなくなった。暗い中にたった一人立って首を傾けていた。右の方から靴の音が近寄って来た。と思うと、それが四五間手前まで来て留まった。それからだんだん遠退いて行く。