Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans

Aozora Bunko

ほかの二人も度を失ってばらばらと逃げ出した。空駕籠をおろして門口に待っていた駕籠屋も面食らって逃げた。

もとより斬る気はないが、おどしのために外記は縁を飛び降りて門口まで追って出た。彼らの遠くなったのを見とどけて再び内へ引っ返して、手水鉢の水で足の泥を洗っていると、綾衣は手拭を持って来て綺麗に拭いてやった。

一旦はおどして追い返しても、ここの隠れ家を突き留めた以上は、大菱屋が泣き寝入りに済まそう筈がない。また出直して押して来るか、あるいは思い切って表沙汰にするかも知れない。女はもう眼に見えない網にかかっているのであった。

二人は黙って顔を見合せた。浄閑寺の鉦がまたきこえた。

綾衣は起って仏壇の燈明をかき立てると、白地に撫子を大きく染め出した艶な浴衣が裾の方から消えて、痩せた肩や細った腰が影のようにほの白く浮いて見えた。仏壇の花生けには蓮の花が供えてあった。綾衣はそのひと枝を押し戴いてとって、重なり合った花びらをしずかにむしり取ると、匂いのある白い花は彼女の袖に触れてほろほろとこぼれて、うす暗い畳の上に雪を敷いた。

外記は無言で笑った。

星は隠れていよいよ暗い夜になった。