Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans

Aozora Bunko

お染は途方にくれた。それでも一生懸命の知恵を絞り出して、男にここを逃げろと言った。この場の有様を見知っている者は自分ひとりであるから、ほかの者の来ないうちに早くここを立ち退いてしまえと勧めた。

「何を馬鹿な」と、半九郎は嘲るように答えた。「菊地半九郎はそれほど卑怯な男でない。さしたる意趣も遺恨もないに、朋輩ひとりを殺したからは、いさぎよく罪を引受けるが武士の道だ。ともかくも市之助に逢って分別を決める」

彼は河原づたいに花菱へ引っ返した。お染も痛む足を引摺りながらその後についてゆくと、市之助はもう寝床へはいっていた。

「市之助、起きてくれ」

屏風の外からそっと声をかけると、市之助は眠そうな声で答えた。

「誰だ。はいれ」

「女はいぬか」

こう言いながら屏風をあけた半九郎の顔は、水のように蒼かった。鬢も衣紋も乱れていた。うす暗い灯の影でそれをじっと見た市之助は、相方のお花を遠ざけて差向かいになった。

「半九郎。どうした。人でも斬ったか」と、市之助は小声できいた。

半九郎の着物の膝は、血しぶきにおびただしく染められているのを、彼は早くも見付けたのであった。

「推量の通りだ。