Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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きせんのかいりょう

汽船の改良

寺田 寅彦

Lisez 汽船の改良 (きせんのかいりょう) de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 767 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

第一に、船底にビルジキールと名づくる鰭のような物を着けると、その抵抗でよほど揺れが少なくなる。巧く作れば動揺の角度が半分くらいにはなる、これは実際今日でも用いられている。

第二には船の中に大きな空室を作り、その中に水を満載し、船の動揺に応じて適当に水を動揺させ、その作用で横揺れを防ぐという工夫が今より二十年前、英国の二、三の汽船に応用されたが、あまり面白くなかったと見えてその後は用いられぬ。

第三には仏国学士院へクレミユという理学者が提出した新案である。船の中に大きな重い振子を吊し、その周囲に粘い油を入れるというのであるが、まだ実際の試験をするところまで行かぬらしい。

第四には英国のソーニークロフトという人が、巧妙な仕掛けでごく重い重量を自働的に船の左右に交互に動かして、波のために起る動揺を防ぐ事を考え、実際の汽船に取付けて試験してみたら、かなりによく行ったそうである。しかしその後あまり用いられぬ。

第五にごく近頃、ハンブルヒのシュリックという有名な造船家が大きな独楽を船中に取付け、これを迅速に回転すると横揺れがほとんど止まるという巧みな考えを出し、小形の船で実験したら非常に好結果を得たので更に目下エルベ、ヘリゴランド間通いの千トンくらいの客船に取付けるのを製造中だそうである。