Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かわあかり
河明り
岡本 かの子
Lisez 河明り (かわあかり) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 244 caractères · 98 écrans
何ともないような橋なのだが、しきりに私達の心は牽かれる。向う岸の橋詰に榕樹の茂みが青々として、それから白い尖塔が抽んでている背景が、橋を薄肉彫のように浮き出さすためであろうか。私がいつまでも車から降りて眺めていると、娘はそれを察したように、
「東京の吾妻橋とか柳橋とかに似てるからじゃありません?」と云った。
この橋から間もなく、河口の鵜の喉の膨らみのようになっている岸に、三層楼の支那の倉庫店がずらりと並び、河には木履型のジャンクが河身を埋めている。庭の小亭のようなものが、脚を水上にはだけてぬいぬい立っている。
「橋が好きなら、この橋のもう一つ上のさっき渡って来た橋、あれをよく覚えときなさい。あの橋から南と北に大道路が走っていて、何かと基点になっています。もしはぐれて迷子になったら、あの橋詰に立っていなさればよい、迎いに行きますよ」社長はこんな冗談を云った。
官庁街の素気なく白々しい建物の数々。支那街の異臭、雑沓、商業街の殷賑、私たちはそれ等を車の窓から見た。ここまで来る航行の途中で、上海と香港の船繋りの間に、西洋らしい都会の景色も、支那らしい町の様子もすでに見て来た。