Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かじか

河鹿

岡本 綺堂

Lisez 河鹿 (かじか) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 671 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

と思う一刹那に、怪しい声はまたも聞こえて、今度は「ママア」と悲しげに呼んだ。身の毛がよだって、僕もしばらくは息をのみ込んでいると……。いや、臆病といわれても仕方がない。まったくそのときには総身の血が凍るように感じたので、僕は床の上に座ったままでその声の正体を確かに聞き定めようとしていると、それから二三分も経ったかと思う頃に、かの「パパア」という声がまた聞こえた。その声は隣りの座敷から響いてくるのだ。」

「隣りの人たちは寝ているというじゃないか。」と、わたしはききかえした。

「それだからなおおかしい、僕も念のためにそっと障子をあけて縁側をうかがうと、隣りの障子はやっぱり真暗で、内はひっそりとしている。いよいよおかしいと思っていると、その暗い障子の中で「ママア」という悲しい声がまたもや聞こえたので、僕はもうたまらなくなって自分の座敷へあわてて逃げ込んで、寝床のなかへもぐり込んでしまった。そうして、衾をかぶりながらじっと耳をすましていると、隣りの声はもう聞こえなかった。それでも僕の神経は過度に興奮してしまって、夜のふけるまで到底眠られなかった。とりわけて僕の聴神経は過敏になっているので、河鹿の声までがいつもよりは耳について、もしや隣りの声ではないかと幾たびか脅かされた。