Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうえつクラブ

法悦クラブ

野村 胡堂

Lisez 法悦クラブ (ほうえつクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 176 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

「お願いですから、映画の終る前に、そっと、私を連れ出して下さいませんか、私は悪者に狙われて居るんです、人を殺すことなどを、何んとも思わない恐ろしい、悪者に――」

耳元の囁やきは青白く顫えました。が、何んと言う、それは素晴らしい音色でしょう。

人間の声帯で作られる肉声の美しさを、此の時私は始めて知ったような気がしました。それは甘えるような訴たえるような、言いようもなく複雑な感情を盛った声ですが、声そのものは純粋で澄明で、血管に注ぎ込まれたアルコールのように、私の五臓六腑に沁み込んで行くのです。

鵞鳥の耳には鵞鳥の声が最も美しく、人間の耳には、人間の声が一番美しかるべき筈です。鴬の啼くのも、蚯蚓の歌うのも、それぞれの異性を呼ぶ唯一絶対の美しい声であるのに、人間だけは生活の為と言い乍らドスを利かせたり、兜町で怒号したり、選挙演説でわめき立てなければならぬとは、何んという浅ましいことでしょう。恐らく数十万年前の人間の声は、異性を呼ぶ時と、異性と争う時の外には殆んど必要のないものだったでしょう。

たまたまその間歇遺伝が、此婦人に現われて、異性なる私の耳に、迦陵頻伽と響いたのかもわかりません。