Classiques japonais avec furigana
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ほうえつクラブ
法悦クラブ
野村 胡堂
Lisez 法悦クラブ (ほうえつクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 176 caractères · 28 écrans
の瞳と、そして一つ一つが真珠のような、美しい光沢を持った言葉が、私の若い心を、すっかり魅惑してしまったのです。
「ヴェールを取って下さいませんか」
二人は寝台へ腰をかけて、暫らく銘々のことを考えて居りましたが、ハチ切れ相な好奇心の圧迫に堪え兼ねて、私は斯う言わなければなりませんでした。
「え、取ってあげるワ、でも、私の顔はハガードの小説に書いた、三千歳の妖女のように、男の方が見ると、気が変になるかも知れませんよ」
「でも――奥さん――と呼んで宜いでしょうね」
「ウ、フ、まさかお嬢さんじゃないわ、――さア、ヴェールを取りますよ」
婦人は双手をあげて、黄色い帽子ごと、自分の顔のヴェールを取りましたが、ハッと思った瞬間、何処でスイッチを捻ったか、家中の電灯は、一ぺんにパッと消えてしまったのです。
「あッ」
「まア、驚かなくたって宜いでしょう、――矢張り私の顔はお見せしない方が宜いらしいの」
婦人はそう言い乍ら、私の膝の上にそっと手を置くのでした。
「奥さん、――せめてお名前を聞かして下さい」
「さア、何んと申上げたものでしょう、どうせ本当の名じゃ無いんだから、――阿修羅――はどう? 印度の悪い女神よ、ウ、フ宜いでしょう、奈良の博物館に阿修羅王の像があるでしょう、真っ黒で激情的で、私はあの顔が大好き」