Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうえつクラブ

法悦クラブ

野村 胡堂

Lisez 法悦クラブ (ほうえつクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 176 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

「村一さん、一緒に」

佐々村村一の身体を抱き上げるように、衆人環視の中に、犇とすがり付くのでした。

「阿修羅」

「――――」

「歌って」

佐々村村一の唇は僅かに動きました。

「では、いつもの、シューベルトを」

汝こそは、わが心の安らいなれ――

それは美しくも淋しい声でした、が細く優しく、死に行く人の声とも覚えぬ潤いと光に充ちて、――会場に化石した三十の会員は、あまりの事に何をするのも忘れて、この「白鳥の歌」に聴き入る外は無かったのです。

茶谷金弥夫人の阿夜子と、佐々村村一は死んでしまいました。が、多摩川べりの、「法悦倶楽部」はその夜のうちに火を失して焼け、茶谷金弥は四人の妾と、巨大な借財を残して、何処かへ姿を隠してしまったのです。

死に行く阿夜子が、息も絶々に歌った、「汝こそは」の歌は、三十人の会員達に、忘れることの出来ない、美しくも凄まじい記憶として遺ったことは言う迄もありません。これこそまことに仏説の「法悦」に悟入した讃歌とでも言うべきでしょうか。