Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はたのてい
波多野邸
豊島 与志雄
Lisez 波多野邸 (はたのてい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 194 caractères · 45 écrans
日本酒、ビール、各種のウイスキー、時には焼酎もあったが、この焼酎だけはとびきり上等だった。料理は殆んど出来ず、ピーナツ、するめ、ハム、※詰類に過ぎなかった。客はたいていインテリ層の顔馴染みの者で、見識らぬフリの客には居心地がわるかった。店の名前は、大田梧郎の名を取ってただ「五郎」で、飲み仲間では、五郎へ行こうとか、五郎さんとこへ行こうとか、そういう風に言われていた。
この酒場のどこが気に入ったのか、波多野洋介はしばしばやって来た。もっとも、私達が彼を誘ってくることも多かった。彼は帰国後、当分の間はという殆んど無期限の有様で、ぶらぶら遊んでいた。読書だけは熱心にしているようだったが、そのほかは、友人たちとの私交、演劇や音楽会、散歩や酒、近県への一二泊の旅など、東京中心の土地を改めてなつかしんでいるかのようでもあった。これからどんな方向へ進み、どんな仕事をするつもりか、恐らく彼自身でも見当がつかなかったのではあるまいか。
洋介のそういう態度は、外地からの帰還者ということを考慮に入れても、やはり非難の余地があった。深刻な食糧危機、政局の昏迷、社会情勢の不安、其他、あらゆる問題が堆積錯綜して、敗戦後の立ち直りが可能であるか否か、見通しさえもつき難かったのである。