Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なきんぼうのはなし
泣きんぼうの話
小川 未明
Lisez 泣きんぼうの話 (なきんぼうのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 184 caractères · 5 écrans
ちょうど、そのとき、だれも通らない往来を、あちらから、男が、自転車に乗ってやってきました。
おばあさんは、子供をすかすために、
「もし、もし、この泣く子をつれていってください。」と、おばあさんはいいました。
「よしきた。さんざ、あっちの野原へいって泣くだ。」と、男は、ひょいと泣く子を抱きあげると、おばあさんの止めるまもなく、さっさと、あちらの野原の方へ走っていきました。
男は、自転車に、泣きんぼうを乗せて、広い野原の真ん中へつれていって降ろしました。
「さあ、ここでうんと泣くんだ。そうしたら、黙るだろう。」と、男はたった独り、子供を野原の真ん中に残して、自分は、自転車に乗って、また、どこへとなく走っていってしまいました。
子供は、野原の真ん中で、大きな声を出して泣きました。けれど、だれも、その泣き声を聞きつけるものはなかったのです。太陽と雲とが、この声を聞きつけて、びっくりしました。そして、じっと下を見つめていました。
「ああ、かわいそうに、あの子を花にしてやれ。」と、太陽は、独りでいいました。
このとき、おばあさんが、とぼとぼと小径を探しながら、野原へ歩いてきました。