Classiques japonais avec furigana
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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Lisez 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) de Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 269 caractères · 223 écrans
その手はそっと空気を押す。
そして雷竜の太い尾が
まず見えなくなりその次に
山のような胴がかくれ
おしまい黒い舌を出して
びちょびちょ水を呑んでいる
蛇に似たその頭がかくれると
大学士はまず助かったと
いきなり来た方へ向いた。
その足跡さへずんずんたどって
遁げてさえ行くならもう直きに
汀に涛も打って来るし
空も赤くはなくなるし
足あとももう泥に食い込まない
堅い頁岩の上を行く。
崖にはゆうべの洞もある
そこまで行けばもう大丈夫
こんなあぶない探険などは
今度かぎりでやめてしまい
博物館へも断わらせて
東京のまちのまん中で
赤い鼻の連中などを
相手に法螺を吹いてればいい。
大体こんな計算だった。
それもまるきり電のような計算だ。
ところが楢ノ木大学士は
も一度ぎくっと立ちどまった。
その膝はもうがたがたと鳴り出した。
見たまえ、学士の来た方の
泥の岸はまるでいちめん
うじゃうじゃの雷竜どもなのだ。
まっ黒なほど居ったのだ。
長い頸を天に延ばすやつ
頸をゆっくり上下に振るやつ
急いで水にかけ込むやつ
実にまるでうじゃうじゃだった。
「もういけない。すっかりうまくやられちゃった。いよいよおれも食われるだけだ。大学士の号も一所になくなる。