Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りゅうげんひご

流言蜚語

中谷 宇吉郎

Lisez 流言蜚語 (りゅうげんひご) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 938 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

八月十六日の夜中に、けたたましい電話の音で起された。「一刻を争う重大問題だそうですから、直ぐ電話にかかって下さい」と家の者が蒼い顔をしている。聞いてみると、なるほど重大問題である。小樽へソ聯兵が二万上陸したから、戦時研究関係の重要書類を直ぐ焼却しろという話なのである。もうみんな非常呼集で集っているという。前日からの疲れでぐっすり寝込んだ寐入端を起されたので、大分不機嫌である。大体あの小樽の埠頭設備で、二万の武装兵力が上陸するのに何日かかるか、とても一日や二日で出来る話ではない。夕方まで何事もなかったのに、三時間や四時間後にもう二万の兵隊が出現しているとしたら、それはアラビヤンナイトの兵隊である。御免を蒙ってまた床に潜り込んでいたら、一時間ばかりしてまた電話が来て「今のはデマだったそうだから」という話で鳧がついた。

東京でも同じような話が沢山あったそうである。終戦から二、三日目に、某区で「今夜アメリカの兵隊が来るから、米国の国旗を用意し、御馳走を作って待っているように」という布告を回覧板で廻した所があった。某研究所長の話であるが、その研究所員の若い夫人が、回覧板を見て慌てて、研究所の夫君のところへ馳けつけたそうである。