Classiques japonais avec furigana
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Lisez 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 009 caractères · 249 écrans
ばさりという鈍い物音と、う――むといううなり声とが同時におこった。下士官はピストルをがらりと投げすてると、首のところへ手をもってゆくような仕種をしたが、そのときはもう甲板の上に、仰向けになって倒れ、呼吸がたえていた。
じつに見事な腕の冴であった。相手の下士官は、ついに一発の弾丸も放たないで、あの世へ旅立ったのだ。
「おお、この服装が欲しかったのだ」
川上機関大尉の狙っていたお土産は、向こうから転がりこんだようなものであった。彼は駈けよるなり、早いところ倒れている下士官の服を脱がしてしまった。そしてすばやく自分の身につけた。傍に転がっている下士官帽も役にたった。彼はすっかり英国海軍の下士官になりすました。百八十糎の長身をもった川上機関大尉に、それはちょうど頃合の制服だった。
(やあどうも、すっかり結構な支度を頂戴してしまった。遺骸に御礼をいって、人に見られないうちに、片づけてしまおう)
大尉は、下士官の遺骸を横抱にかかえ、舷側から海中へ放りこんだ。逆まく波は、その遺骸をのんでちょっとした水煙をたてたが、水音は嵐に消されて、それほど耳にたたなかった。
「おう、どうしたんだ」