Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あざらしとう

海豹島

久生 十蘭

Lisez 海豹島 (あざらしとう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 311 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

人間どもは火山弾のように空中に投げあげられ、間もなく燃えさかる炎の中に落ちてきた。熱湯で茹られたうえ、念入りにもう一度焼かれたのである。恐らく眼をさます暇などはなかったろう、いわばこのうえもない最後だった。

猛烈な火は北風に煽られてたちまち隣りの物置に移り、食料品、野菜、猟具、人夫どもの雑多な私有品などを焼きつくしたうえ、剥皮場と看視人小屋に飛火してひと嘗めにし、獣皮塩蔵所を半焼したところで、ようやくおさまった。そのとき風が変ったのである。

狭山は乾燥室の奥まったところで酔いつぶれていた。爆発と同時に、狭山ももちろん吹き飛ばされた。しかし、このほうは火の中へ落ちずに氷の上に叩きつけられた。ちょっとしたことだが、これがたいへんな違いになった。腰を痛めただけで、命には別条がなかった。狭山自身はなんの自覚もなかった。よほどたってから、ゆっくりと眼をさました。しばらくの間、なにが起ったのか了解する事ができなかった。燃え狂う炎をぼんやりと眺めていたのである。

一、獣皮塩蔵所の建物は、崖下の雪の中に一種素朴なようすで焼け残っていた。疎らに立ち並んだ五六本の焼棒杭に氷雪がからみついて、樹氷のようにつらつらに光り、立木一本ない不毛の風景に、多少の詩趣をそえるのである。