Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans

Aozora Bunko

それは恐らく市長になりたてのときの写真なのであろう。罷めるときは、こうは温和な顔付にはゆかなかった筈だ。

応接室は沢山あった。いずれも奇数の番号がついていた。しかしどの部屋にも人が入っていなかった。勿体ないことである。そのうちに一室、扉を押しても明かない応接室があった。第七応接室という札が懸かっていた。僕は鍵穴に耳をあてて、中の様子を覗ってみた。しかし中には人の気配が感じられなかった。

すると、ここで僕のよろしくない病がムラムラと起ったのである。僕はポケットに手を入れると、小さい金物をとりだした。実はこれは僕の秘蔵の手製合鍵である。こいつを鍵穴に入れてガチャガチャと三、四度やると、手応えがあって、扉は苦もなくも明いた。こうなると司法官試補の「浅間信十郎」はどこかへ行って、もう一つの人格、探偵作家、「黄谷青二」の地金がムクムクと出て来る。入ってみると、これも前のと同じ位の広さだが装飾は殆んどない。そして丸い卓子が一台ある外は、二、三百円もするような大きな肘掛椅子が十脚ほどもあり、奥の壁際にあるものは、実に乱雑に、思い思いの方向に向いている。スチームはムンムンするほど部屋を温めて居り、肘掛椅子は実に柔軟くフカフカしている。