Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans
というのである。僕は全身が俄かに緊張に鳴り亘るように感じながら、電話函を出ると、通りがかりの円タクを大声で呼びとめた。
通用門を明けさせ、長い廊下にいらいらしながら、僕は宿直室に辿りついた。室内に居合わせたのは、思いの外の少人数だった。雁金検事は、書記を督励して、何か書類を繰らせていたが、僕の入ってきたのを見ると、つと室の隅に立って僕を手招きした。
「君は辰巳芸者のいる深川門前仲町の待合街を知っているかネ。ところでそこに紅高砂家という待合がある。そこへ直ぐ行って貰いたい」
「はア、待合で何をいたしますか」
「金曜会という会合がある。そこに川田さんという変名で、黒河内警視総監が居られるから、この手紙を持っていって貰いたい」
「えッ、警視総監が待合に……」
「誤解や早合点は慎しむがいいぞ。職務のために行って居られるのだ。手紙を渡したら何か挨拶があろう。後は総監の命令を遵奉して行動すること。分ったかネ。余り役人風を吹かせるんじゃないよ」
深夜の待合行き、――しかも向うには警視総監が列席しているという。なんという変った使命だ。事件らしいが、一体どんなことが起ったのであろう。