Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans

Aozora Bunko

僕は親猿に抱かれた子猿のように、かの老人に抱きすくめられていた。そこはどうやら穴蔵でもあるらしく、老人の吐く息が周囲にハッハッと反響した。

外はだんだんと騒々しくなってきた。バタバタと駆けだす靴音に交じって、佩剣がガチャガチャ鳴る響さえ聞えた。呼笛はなおも執念深く吹き鳴らされている。そこへガヤガヤとこっちへ急いでくる話し声が耳に入った。

「おい、若いの。――」と、耳許で老人の抑えつけるような声がした。「こっちへやって来たが心配するな。お前さん、軽業が出来るかい。両手と両足とで、この両側の壁を踏んまえて、穴蔵の天井に身体を隠していろ。ちっとは苦しかろうが、生命と交換するのだと思って頑張るんだぞ。それッ。――」

老人はドンと背中を叩いて、僕を激励した。ここで逡巡いだりして、老人に見放されては大変だと思ったので、言わるるままに、両手両足とを使い向いあった壁の間に自分の身体を橋渡しした。そして満身の力を出して、ジリジリと上の方に擦り昇っていった。

「その調子、その調子。どんなことがあっても声を出したり、動いたりするな。いいかッ。……」

僕は苦しさで、もう返事をする余裕もなかった。