Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans

Aozora Bunko

温い湯気の洩れる暖簾をくぐって、僕は荒くれた二、三人の先客の間に割りこんだ。釜の向うでワンタンを鉢にうつしていた白い割烹着にレースの布を捲いた娘がチラリと一瞥を送って「いらっしゃい」と声をかけた。若い職工の働いている工場街なればこそ、このような妙齢の娘が結構商売をしているのだ。

番が廻って来て、僕の受取った丼は風呂桶のように熱かった。フウフウ吹きながら箸を搬んでいるうちに、身体も魂も自分のところへ帰ってきた様な感じがした。丼を置いてハンカチーを取出そうとしてオーヴァのポケットに手を入れたとき、思いがけなくマッシヴなものが入っているのに愕いた。オヤオヤと思いながら引張りだしてみると、なんのこと、それは築地の河岸ぷちで買い求めた握り寿司の包みだった。いつの間にこんなところへ蔵ったのだろうと呆れる外なかった。

「姐さん、ここに買って来た握り寿司があるんだが、喰べても構わないかネ」

「アラ御馳走さまネ。どうぞ御遠慮なく……」

「じゃあ……」といって、僕はその紙包みを開いて、台の上に載せた。鮪も小鰭も鳥貝も、みなぺちゃんこになっていた。

「君もよかったら一つ喰べないか。