Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans
彼の若者は、前後をソッと見廻した後で、潜り戸の上をコツコツコツと三つ叩いた。そこに懸っている標札には「動坂家勝手口」という文字が読めた。――戸は合図に応じて、音もなく内側に開いた。
中には、別の男がいた。彼は火の番のような風体をしていた。僕たち二人を迎え入れると、彼は戸に鍵をかけた後、黙々として傍に置いてある大きな犬小屋の中に姿を隠した。この小屋の主人公であるらしいシェーパードが一匹、雪の積った地面に死んだようになって長く伸びていた。
懐中電灯の光のもとに、絵図を案じながら先に立つ速水に随っていくと、やがて奥庭に出た。
「速水さん、見張りの連中は、僕たちの目的を知っているのかネ。皆いやに黙っているので気味が悪いナ」
「彼等は見張りだけが任務なんだ。――黙っているのは『深夜の市長』の威令が行われている証拠だよ。規律が弛緩すれば、場所がらを弁えず、詰らぬお喋りなどをするものだ」
僕は皮肉を云われたように感じて、それ切り口を噤んだ。
絵図の上に、赤い矢印で示された縁の下の潜り穴が見つかった。そこで両手と膝頭とをついて、薄氷の張っているらしい大地のツーンとする冷たさを痛く感じながら、穴を潜って床下に忍びこんだ。