Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Lisez 深夜の市長 (しんやのしちょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 982 caractères · 220 écrans

Aozora Bunko

ただ前と同じような敬虔な眼眸で老人を見送るばかりだった。

「深夜の市長」は、そこに佇立して走りゆくトラックを眺めている僕を促して、ドンドン明るい街の方へ引張っていった。

「いよいよやって来たぞ」と老人は僕のオーヴァを抑えた。

「ええッ。……」

「さあ、向うの角に見えるのが、明治昼夜銀行の亀沢支店だ。そこへ行って、支店長を呼んで貰ってなるべく小さな声で――ちょっと用事が出来ましたから、恐縮ですがお願いいたします……と丁寧に云うんだよ。それから一つ、これを頸にかけていってくれ。……」

といって「深夜の市長」は、僕の頸に、なにか頸飾りのようなものを懸けてくれた。驚いて手で触ってみると、それは細い黒い紐で、ただ胸に当るところになにか鍵のようなものが下っていた。よくよく見ると、それは美しい翡翠で、風変りにも太短い鍵の形を彫ってあった。どうやらそれは何かの信号を先方へ伝えるものらしく思われた。

僕は半信半疑で、昼夜銀行の扉を押した。

銀行の中はまだ宵のうちのせいか、だいぶん混み合っていた。どこに支店長がいるのかと、僕は帳簿が沢山並んだ間に点在する銀行員を見廻した。すると室の中央に突立っていた年配の人物が、こっちを向くや否や、手招きをしながら、ツカツカと高い応接台のところへ出て来た。