Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

Lisez 渋谷家の始祖 (しぶやけのしそ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 023 caractères · 133 écrans

Aozora Bunko

に充分なだけ、悪の微妙な筋書(プロット)を持っていた。

気の勝った未亡人は、自制を失った興奮に燃え立ちながら、激しい、容赦のない口調で、正隆の心を、ビシビシと鞭うった。彼女は、持ち前の癖を出して、正隆がどれほど不安な眼差しをしようが、憐みを乞うような溜息を吐こうが頓着なく、彼女の暗い、凄い解剖をしつづけて行ったのである。

「だから、お前、昔から、人を見たら泥棒と思えとさえ云っているじゃあないか。世の中へ出て御覧、ほんとに油断は大敵ですよ。お亡くなりになったお父様なんかも、まるで蜘蛛の巣見たような奸策許りには、どんなに御難儀なすったか分ったものじゃない。ね、正隆、私はお前さんの行末を案じるばかりに、こんな心配までしているのですよ。お分りだろう、だから、ね、何でも気を許さずに、怕(こわ)い人になっていなければいけませんよ。人間というものは妙なもんで、一度人に馬鹿にされたとなると、もう決して、二度と頭の上りっこがないのだからね、正隆――」

そう云いながら、今まで確りしていた未亡人の声は、俄に顫(ふるえ)を帯びた。

「ほんとにね。どうぞ仕合わせになれますように。