Classiques japonais avec furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans
この報は早くも佐野、足利、館林の各警察署につたわって、数十名の警官が沿岸へ急派された。彼等は各所の焚火を目あてに馳けつけては、被害民たちを退散させようとしてしきりに説諭に努めた。だが、被害民の決心は案外に固く、押し問答をくりかえすうちに、夜もしらじらと明けはじめた。やがて被害民たちも、他日を期すことにしてひとまず断念したのか、夜の幕とともに散じだした。
かくてまた翌二十三日榎本の微行の視察があったその夜、再び各村々から二十人三十人と隊伍を組んだ老若が雲龍寺をさして集って来た。夜の更けるに従ってその数は次第に加わり、三千七八百名を数えるに至った。
協議の結果、各自に四五日分の弁当を携え、野宿を覚悟して、上京の途につくことを申し合せた。そこへ、不穏の報をきいて急遽上野を終列車で発って来た在京委員の数名が馳せつけた。彼等は一同の出京を中止させようとして、言葉をつくして説得にかかったが、大衆は少しも耳をかたむける様子がなかった。
「軽々しく多数が上京しても、労多くして効が少ないから」といえば「上京委員の腰が弱いから、われわれの請願がいまだに達せられない。もはや君らに委せておくわけにゆかぬ」