Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans

Aozora Bunko

やがて誰かが「おらぬものは仕方がない」そういうと、また一同がどやどやと庭へ下りた。障子の骨一本折るでもなく、ランプ一つ毀すでもなかった。だが、彼等の引き揚げていったあとで、家人がどこからか這い出してきて灯を点けて見ると、座敷は畳の目もわからぬほどこね返えされて、軒下の泥濘と変るところがなかった。

彼等は、ついで早川某の家へ押しかけた。やはり家捜しをするといって土足であがりこんだが、ここもまた空しく立ち退くほかはなかった。つぎに鉾先を久野村へかえて磯某の家、野島某の家、稲毛某の家、と順ぐりに勢込んでたずね歩いた。どこの家も申し合せたようにからっぽで、誰一人つかまえることが出来なかった。五軒目の家を引き揚げる頃には、誰の足つきも落胆とともにグッと疲れの出てきた様子だった。暗黙の裡に誰も彼も、もう諦めて帰途につこうという気持になり、岐道へくる度に一群れずつ闇に消えていった。遠方の者が家に辿りついたのは、夜もしらじらと明けてくる頃で、濡れた着物を着換えると死んだようになって睡った。

すでに拘引状にも家宅侵入事件と銘打ってあったが、永島の胸に思いあたるのはただ以上の事柄だけであった。