Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans
二月といってもまだ寒が明けたばかり、まして真夜半のことである。川原を吹き渡ってくる寒風は肌を刺してたえ難かった。数カ所で焚火が燃えだした。闇空をこがすその火柱が、陰気な顔々にいくらか生気を蘇らせた。なにかボソボソと語り合っている者もあれば、家に残してきた妻子のことを思って黙りこんでいる者もいた。誰も彼も、そのようにして総代たちから指図のあるのを待ち、夜の明けるのを待つ心構えであった。
すると一時半頃、館林警察署長今鉄平が巡査五十名ばかり連れて入ってきた。今は、あちこちの焚火の傍へ行ってなにかいっていたようだったが、やがて庭の真中に突立って「集会結社法により解散を命ずる」と叫んだ。
だが、誰一人それに応じて動こうとする者はなかった。なかには「解散などとは不当だ」と、どなりたてる者もあったが、多くはただ顔を見合せて無感動を装っていた。さすが純朴な彼等の胸にも「なにをいっているのだ、自分らは生きるか死ぬかの場合だ」と、民情に疎い警官の命令を軽んずる気持がいなめなかった。それに、山門の方からは例の鉱毒悲歌をうたいながら、次々に新しい人数がくりこんでくる。