Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans
説明を聞くまでもなく、村落全体が妙にしずまり返っていて衰微のさまが惻々と胸を打ってきた。
やがて渡良瀬川を越えて間田へきた。役場員がとある農家の裏手へ一行を導き入れた。片隅に赤い枯葉の杉の木があって、その下の見すぼらしい納屋に、盲目の老婆が小さい孫娘たちと暮らしていた。田代くらといって、以前は表の大きな屋敷に住んで、田畑も五町余りある身分だったが、と役場の男が説明する。潮田が言葉やさしく身の上をたずねた。老婆は新な悲しみにたえかねて、胸を波立たせている様子だったが、やがて「有難うございます」と節くれだった手をすり合せて語りだした。
「……不幸のつづいたうえに、配偶者にも四人の子を残して死なれましたものですから、どうすることもできません」
そういううちにも、しなびた眼から涙があふれ落ちた。
「息子さんはどうしました? また嫁さんは……」
「伜は、家で食べられないものですから、北郷へ日雇取りに参りまして、初めのうちは月々四五十銭ぐらいは送って来ましたが、この三四カ月はちっとも送ってよこしません。嫁は古河の里へ預けてあります」
他の子供もそれぞれ糊口のために離散しているという。