Classiques japonais avec furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lisez 満韓ところどころ (まんかんところどころ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 601 caractères · 148 écrans
松山の上から見渡すと、高い日に映る、茶色や黄色が、縞になったり、段になったり、模様になったり、霞で薄くされて、雲に接くまで、一面に平野を蔽うている。満洲は大きな所であった。
宿へ帰ったら、御神さんが駅長の贈って来た初茸を汁にして、晩に御膳の上へ乗せてくれた。それを食って、梨畑や、馬賊や、土の櫓や、赤い旗の話しなぞをして寝た。
三十七
立つ用意をしているところへ御神さんが帳面を持って出て来た。これへ何か書いて行って下さいと云う。御神さんは余を二つ接ぎ合せたように肥えている。それで病気だそうだ。始めはどこのものだか分らなかったが、御神さんと知って、調子の下女と違っているのに驚いた。御神さんはその体格の示すごとき好い女であった。どうしてあんなすれっからしの下女を使いこなすかが疑問になったくらいである。帳面を前へ置いて、どうぞと手を膝の上に重ねた。その膝の厚さは八寸ぐらいある。
帳面を開けると、第一頁に林学博士のH君が「本邦の山水に似たり」と揮ってしまったあとである。その次にはどこどこ聯隊長何のなにがしと書いてある。宿帳だか、書画帖だか判然しないものの、第三頁に記念を遺す事に差し逼って来た。