Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

そうせきのじんぶつ

漱石の人物

和辻 哲郎

Lisez 漱石の人物 (そうせきのじんぶつ) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 438 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

それを精神病と見てしまうのは、いくらか責任回避のきらいがある。一体にこの『漱石の思い出』は、漱石を「気違いじみた癇癪持ち」に仕上げて行く最後のタッチであったような気がする。

漱石と接触していた三年の間に、漱石と二人きりで出歩いたことは、ただ一度しかない。たしか大正四年の紅葉のころで、横浜の三渓園へ文人画を見に行ったのである。

私は大正四年の夏の初めに、大森から鵠沼へ居を移した。そのころにちょうど東京横浜間は電化されたが、鵠沼から東京へ出るには汽車のほかはなく、それも二時間近くかかったと思う。木曜日の晩に漱石山房で話にふけっていれば、終列車に乗り遅れるおそれがあった。それで木曜会に出る度数は減ったが、訪ねて行くときは、午後早く行って夕方に辞去するようにした。そのころ、門の前まで行くと、必ず人力車が一台待っていた。客間には滝田樗陰がどっかとすわって、右手で墨をすりながら、大きい字とか小さい字とか、しきりに注文を出していた。漱石はいかにも愉快そうに、言われるままに筆をふるっていた。

たぶんその関係であろうと思うが、そのころにはしきりに文人画の話が出た。