Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
しかし、これは、いわゆる比例の問題ではないでしょうか。
それに、贅言は要りますまいが、偶然わっしはその真相を知ったばかりに、夷岐戸島の秘密の一部を窺うことができたのです。
と云うのは、外界に対照するものがなければ、汽車でも汽船でも速度が判らないように、里虹はあの島で、もう一人の男ばかりを見ていたために、自分を巨人と信じてしまったのでした。そうなると、相手の一人が、恐ろしく背の低い男にならねばなりませんが、私は、いまだに身柄の不明な、中村小六がそうではないかと思うのです。あの侏儒だけが、自分以外唯一の大人だったので、里虹は自分を素晴らしい巨人と信じ、船影を望むに及んで、自分の妻と二人の双生子を葬ろうとしたのです。
と云うのは、私たちが、いわゆる男と女の畜生児だったからです。
しかし、その双生子はさておいて、どうして自分の妻を殺さねばならなかったのでしょうか。
いいえ、ここまで云えば、私と久米八とが双生子の兄妹だったということも、また往時の慣習からして、双生児の畜生児は殺さねばならなかったということも、さらに里虹が両親からの云い伝えで、クイロスの船を赦免船と信じてしまったことも……。