Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
しかし、そうしているうちに演技は進んで、すでに蛇山の庵室も終りに近く、伊右衛門が父源四郎に勘当をうけるところで、
伊右衛門 昔気質の偏屈親仁。勘当されたも、やっぱりこれもお岩の死霊か。イヤ、呆れたものだ。
と思い入れのところに、いきなり下の奈落から、声高に叫んだものがあった。
呆れたとは莫迦奴――首が飛んでも、動いてみせるわ。
それは、有名な伊右衛門の台詞であったが、声音と云い、調子と云い、どこか聴き覚えのある声であった。
法水は、それを聴くと同時に、一目散に奈落へ駆けつけたが、扉際でチラリと為十郎の姿を見たかと思うと、内部から唸きの声が洩れてきた。
この事件の悪鬼は、死所を奈落に択んで、多量の青酸を嚥下したのだった。
しかし、村次郎はじめ一座の者は、しばらく放心したように立ち竦んでいた。なぜなら、これまで何の因縁もなかった風来者に、どうして犯人としての、動機があるのであろうか。
「僕は、何よりも先に、悪鬼の再生を告げなけりゃならんよ。里虹は、儀右衛門のために、昇汞で殺されたかと見えたが、そのじつ為十郎となって、未だに生きていたのだ。
と云うのは、阿片食も病い膏肓に入ると、昇汞を混ぜなければ、陶酔ができなくなる。