Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
しかし、怖れることはない。普魯西には、われわれ以前に、赫々たる功勲にかがやく、戦友が多々いるのである。今暁われわれは、彼ら以上の大成功を期待している。諸君よ、怖れず今暁も子供のように隠れようではないか。余は各自が、充分その任務を尽さんことを望む。諸君、サア、浮揚の部署につこう」
それから、艇を水面下十米の位置に置き、静かに潜望鏡を出して、四囲の形勢をうかがった。しかし、海上は波高く、展望はきかなかった。
が、右舷のはるかに、黒々と防波堤が見え、星のように燦めくタラント軍港の燈火――いまや、戦艦「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は目睫の間に迫ったのである。
水上に出ると、頬に、払暁の空気が刺すように感じた。本艇は、このとき通風筒をひらき新鮮な空気を送ったのち、やおら行動を開始したのであった。
朝霧のために、防波堤の形は少しも見えないのであるが、その足元で、砕ける波頭だけは、暈っと暗がりのなかに見えた。艇を進め、入江に入り込んだとき、霧はますます酷くなってきた。
「止むを得ん。こりゃ、亀の子潜行だ」
それは、潜望鏡の視野が拡大された今日では、すでに旧式戦術である。