Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
『鷹の城』を快走艇に外装した――それが、古臭いバドミントン叢書になんの関係があるんだい。そんな暗闇の中で、見えもせぬ本を楯に、君はなにを考えているのだ?」
「そうは云うがねえ支倉君、もしこの銅版画が、僕の幻を実在に移すものだとしたら、どうするね。見給え――一八四三年八月、王立カリンティアン倶楽部賞盃獲得艇『神秘』とある……」
と艇長が属していた倶楽部旗を示したが、やがて法水は、呆気にとられた検事を前に、長い間を置いてから、
「なるほど、君の云うとおりかもしれんよ。この事件ではっきり区別できる色といえば、まず海の緑、空の紺青、砂の灰――とこの三つしかない。ところが支倉君、この三色刷を見詰めているとだ。どうやら碑銘を読んでくれる、死人の名が判ったような気がしてきたよ」
と云うと、検事はその頁をパタンと閉じて、嘆息した。
「すると、緑、紺青、灰――というと、この点十字の三角旗にある、色合の全部じゃないか。だが、その倶楽部にいた艇長は、すでに死んでいる……ああやはり、君は自分勝手で小説を作ったり、我を忘れて、豊楽な気分に陶酔しているんだ。そんな石鹸玉みたいなもので、あの海底の密室が、開かれると云うのならやって見給え。