Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなかみろうにん
濞かみ浪人
吉川 英治
Lisez 濞かみ浪人 (はなかみろうにん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 425 caractères · 39 écrans
鉄砲洲を離れると、
『――駕っ』
と、庄左衛門は、すぐ通りかかる提燈を呼び止め、何処か行く先を囁いて、
『さあ、どうぞそれへ』
と、数右衛門へすすめ、自分も乗ってタレをぱらっと下ろす。
いかにも、江戸馴れている肌合が、数右衛門には、これでも同藩の人かとふしぎに思えた。もっとも、江戸表の定府組の士と、国許のお城方とでは、誰にしても、多少気風や生活ぶりが違ってはいるが――。
駕が着く。
そこは、日本堤だった。
堀の涙橋から、少し歩いて、隅田川の方へ入ると、数右衛門などは、潜った事もない粋な貝殻葺の門がある。いう迄もなく、吉原通いの船次ぎの茶屋だ。
酒が来る、妓が集まる。
『――寒いわえ、何ぞ、温まる物でも』
というので、鍋物が膳代りに囲まれて、数右衛門にとっては、何だか、夢みたいな気色になった。
だが、彼はいつになく、余り酔えない。庄左衛門から、大事な話があるにちがいないと思うからだった。もちろんその用談は、お千賀と一閑の意中を伝えて、自分の意志を聞くことと極まっている。そう話を進めて来られたら何と返辞をしよう。――来年はまだちと早い。さらい年か、三年後か。