Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひのとり

火の鳥

太宰 治

Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans

Aozora Bunko

いいかい。あの女は、おれでなければ、だめなんだ。おれひとりだけが知っている。おめえは山の宿で、たった一晩、それだけを手がら顔に、きゃあきゃあ言っていやがる。あとは、もう、おめえなんかに鼻もひっかけないだろう。あいつは、そんな女だ。」

三木は思わず首肯いた。まさに、そのとおりだったのである。

「だが、おい。」助七は、さらに勢よく一歩踏み出し、「その一晩だって、おめえには、ゆるさぬ。がまんできない。よくも、よくも。」

「そうか、わかった。相手になる。僕も君には、がまんできない。よくよく思いあがった野郎だ。」煙草をぽんとほうって、二重まわしを脱ぎ、さらに羽織を脱ぎ、ちょっと思案してから兵古帯をぐるぐるほどき、着物まですっぽり脱いで、シャツと猿又だけの姿になり、

「女を肉体でしか考えることができないとは、気の毒なものさ。こちらにまで、その薄汚さの臭いが移ら。君なんかと取組んで着物をよごしたら、洗っても洗ってもしみがとれまい。やっかいなことだ。」言いながら、足袋を脱ぎ、高足駄を脱ぎ捨て、さいごに眼鏡をはずし、「来い!」

ぴしゃあんと雪の原、木霊して、右の頬を殴られたのは、助七であった。