Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひのとり
火の鳥
Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans
「どうせ、休んで来たんです。」
三人で、ホテルを出て、自動車を拾い、浅草。レヴュウを見た。乙彦は、少し離れて坐っていた。
「ねえ、」さちよは、青年に囁く。「あのひと、いつでも、あんなに無口なの?」
青年は、快活に笑った。「いや、きょうは特別のようです。」
「でも、あたし、好きよ。」
青年は、頬をあからめた。
「小説家?」
「いや。」
「画家?」
「いや。」
「そう。」さちよは、何かひとりでうなずいた。赤い襟巻を掻き合せて、顎をうずめた。
レヴュウを見て、それから、外を歩いて、三人、とりやへはいった。静かな座敷で、卓をかこみ、お酒をのんだ。三人、血をわけたきょうだいのようであった。
「しばらく旅行に出るからね、」乙彦は、青年を相手に、さちよが、おや、と思ったほどやさしい口調で言っていた。「もう、僕に甘えちゃ、いけないよ。君は、出世しなければいけない男だ。親孝行は、それだけで、生きることの立派な目的になる。人間なんて、そんなにたくさん、あれもこれも、できるものじゃないのだ。しのんで、しのんで、つつましくやってさえ行けば、渡る世間に鬼はない。それは、信じなければ、いけないよ。