Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひのとり
火の鳥
Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans
「かえり給え。僕は、言いたいだけのことは、言ったんだ。あとは、もっぱら敬遠主義だ。君も少しは考えるがいい。かえれ。路頭に迷ったって、僕の知ったことじゃない。」
もじもじして、
「路頭は、寒くて、いや。」
三木は、あやうく噴き出しそうになり、
「笑わせようたって、だめさ。」言いながら、はっきり負けたのを意識した。
「さちよ、ここにいるか。」
「いる。」
「女優になるか。」
「なる。」
「勉強するか。」
「する。」
三木の腕の中で、さちよは、小声で答えていた。
「ばかなやつ。」三木は、さちよのからだから離れて、「おふくろと、どんな話をしていた?」いつもの、やさしい歴史的さんに、かえっていた。
「あたし、お母さん好きよ。」さちよは、髪を掻きあげて、「これから、うんと孝行するの。」
そうして、三木との同棲がはじまった。三木は劇壇に、奇妙な勢力を持っていた。背後に、元老の鶴屋北水の頑強な支持もあって、その特異な作風が、劇壇の人たちに敬遠にちかいほどの畏怖の情を以て見られていた。さちよの職場は、すぐにきまった。鴎座である。そのころの鴎座は、素晴しかった。日本の知識人は、一様に、鴎座の努力を尊敬していた。