Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひのとり
火の鳥
Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans
二人、きちんとソファに並んで坐ったまま、冷くなっていた。深夜、中年の給仕人が、それを見つけた。察していたのである。落ちついて、その部屋から忍び出て、そっと支配人をゆり起した。すべて、静粛に行われた。ホテル全体は、朝までひっそり眠っていた。須々木乙彦は、完全に、こと切れていた。
女は、生きた。
☆
高野さちよは、奥羽の山の中に生れた。祖先の、よい血が流れていた。曾祖父は、医者であった。祖父は、白虎隊のひとりで、若くして死んだ。その妹が家督を継いだ。さちよの母である。気品高い、無表情の女であった。養子をむかえた。女学校の図画の先生であった。峠を越えて八里はなれた隣りのまちの、造り酒屋の次男であった。からだも、心も、弱い人であった。高野の家には、土地が少しあった。女学校の先生をやめても、生活が、できた。犬を連れ、鉄砲をしょって、山を歩きまわった。いい画をかきたい。いい画家になりたい。その渇望が胸の裏を焼きこがして、けれども、弱気に、だまっていた。
高野さちよは、山の霧と木霊の中で、大きくなった。谷間の霧の底を歩いてみることが好きであった。