Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいのうんが

火星の運河

江戸川 乱歩

Lisez 火星の運河 (かせいのうんが) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 715 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

何という大芝居だ。何という奥底知れぬ美しさだ。

私は一歩沼の中に足を踏み入れた。そして、黒い水の中央に、同じ黒さで浮んでいる、一つの岩をめがけて、静に泳ぎ初めた。水は冷たくも暖かくもなかった。油の様にトロリとして、手と足を動かすにつれてその部分丈け波立つけれど、音もしなければ、抵抗も感じない。私は胸のあたりに、二筋三筋の静な波紋を描いて、丁度真白な水鳥が、風なき水面をすべる様に、音もなく進んで行った。やがて、中心に達すると、黒くヌルヌルした岩の上に這い上る。その様は、例えば夕凪の海に踊る人魚の様にも見えたであろうか。

今、私はその岩の上にスックと立上った。オオ、何という美しさだ。私は顔を空ざまにして、あらん限りの肺臓の力を以て、花火の様な一声を上げた。胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて、一点の様にちぢんだ。

それから、極端な筋肉の運動が始められた。それがまあ、どんなにすばらしいものであったか。青大将が真二つにちぎられてのたうち廻るのだ。尺取虫と芋虫とみみずの断末魔だ。無限の快楽に、或は無限の痛苦にもがくけだものだ。

踊り疲れると、私は喉をうるおす為に、黒い水中に飛び込んだ。