Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かやくせん

火薬船

海野 十三

Lisez 火薬船 (かやくせん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 552 caractères · 124 écrans

Aozora Bunko

サイゴン港

虎船長の説得が、功を奏して、さしもの平靖号の若者たちも、別人のように、しずかになった。

竹見水夫も、妙にはにかんだようなかおをして、ふたたびノーマ号への使者となって、ボートにのって出かけた。

船長ノルマンは、竹見の口上をきいて、わがことなれりと、大よろこびだ。

「うわっはっはっ。はじめから、あっさり、それを承知すればいいのに。つまらんことで、いい加減、手数をかけやがった。さあ、おくれた船足をとりかえして、先へいそごうぜ」

「はい、はい。心得ました」

一等運転士は、操舵当番へ、大ごえで進航命令を下した。それと同時に、平靖号へも、全速力で、ノーマ号の先登に立って、ドンナイ河の河口をさかのぼるようにと、信号旗を出した。

目的地のサイゴン港は、ドンナイ河をさかのぼること六十キロのところにある。つまり、陸岸にはさまれた河のみなとで相当まがりくねっている。だから、港の中は、たいへんおだやかである。軍港はすこしはなれたところにあるが、こっちの港には、大小おびただしい数の汽船が、安心し切ってぎっしりと舷と舷とをよせ合って、碇泊している。

平靖号は、後から監視の目を光らせているノーマ号からの指令にしたがって、なにごとにもさからわず、命令どおり忠実に港へ入っていった。