Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むげつものがたり

無月物語

久生 十蘭

Lisez 無月物語 (むげつものがたり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 485 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

「よくわかった。お前の言ったことをこの紙に書くがいい」

「かしこまりました」

僕は助かりたいばかりにすぐ筆をとったが、肩を痛めているので、はかばかしくいかなかった。しかしともかく書きあげた。泰文は誓紙をひったくると、腰刀を抜いて三度僕の胸に突きとおし、立ったままで、死にゆくさまを冷淡に見おろしていたが、僕が布直衣の胸を血に染めてこときれると、白女のほうへ向いていた。

「こんどは、お前の番だろうな」

白女が狂乱して叫んだ。

「どうぞ、命だけは」

「いやいや、そういうわけにはいくまいよ。とんだところを見せものにして、主人の淫慾をそそるとは出来すぎたやつだ。この俺だって、そこまでのことはしない」

そういうと、白女の垂れ髪を手首に巻きつけ、腰刀で咽喉を抉った。白女はむやみに血を出して死んだ。

泰文は二つの死骸を芥捨場へ投げだし、裏門から野犬を呼びこんで残りなく食わしてしまった。そうしておいて、保平のところへ行って陽気に酒盛をはじめた。

すさまじい絶叫や叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)の声で、保平は事の成行を察していたので、どうされることかと生きた空もなかったが、泰文は徹底的な上機嫌で、なにがあったかというような顔をしている。